センスが芽生えるTOKYOの最新花屋。

BY VOGUE JAPAN2018年4月12日

花を贈る機会が増える春、大切な人にはフローリストの世界観が光るブーケで笑顔を届けよう。ここ1、2年以内に東京に店を構えた花屋は、自由な感性と譲れないこだわりが詰まっている。話題の店から隠れ屋的な店まで最新4軒を、あなたの通いたいリストに追加して。

VOGUE JAPAN「センスが芽生えるTOKYOの最新花屋。」
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/interior/2018-04-12/page/12

COCHON 隠れ家的アトリエで出会う花の繊細さとダイナミズム。

国道246号の裏通りのビルの階段をあがっていくと、そこに広がるのは森の中に迷いこんだようなアトリエ。仄暗い空間で生き生きとした色彩を放つ花のスペースは、まるでインスタレーションのようだ。フローリストの和田格さんによる「cochon」は2016年4月にオープン。店名の意味は、フランス語でブタ。ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の映画『豚小屋』(1969)に出てくるセリフの響きが気に入り、何かを始める時はこの名前にしようと決めていたそう。
オーナーの和田さんは都内のフラワーショップで5年間勤めた後、すでにあるものをかたちにするのではなく、自分の世界観を表現したく独立を決意。一本一本を生き物のように扱うアレンジメントは、毎回変化する世界観で楽しませてくれる。「cochon」のブーケは強い生命力に溢れ、一見マッチしていない組み合わせであっても不思議と品良くまとまりがある。
日頃はお祝いのブーケや自宅用として購入する人が多いとか。ここに信頼を寄せれば、贈る人も贈られる人にとっても思い出に残る日に彩ってくれるはず。

ヒヤシンス、ミモザ、フリチラリア、など生き生きとした組み合わせの色合いに仕上げられたブーケは、親が子どもの誕生日に贈るのをイメージして制作。金魚鉢のようなフォルムのラッピングは、花を購入して持って帰るまでのプロセスも楽しんでほしいという和田さんの思いから、この形に辿りついたのだそう。